大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)709号 判決

(一)、所論は原判決が被告人の犯罪事実を認定するについて証拠として採用した検察官作成の西沢喜三の昭和二十五年七月四日附及び同月六日附各供述調書、並びに検察官作成の被告人の同年六月二十四日附、同年七月三日附、同月六日附各供述調書は西沢喜三及び被告人の供述を録取したものでなく、検察官の口授を録取したものであること明瞭であるから西沢喜三の各供述調書は刑事訴訟法第三二一条第一項第二号所定の被告人以外の者の検察官の面前における供述を録取した書面と謂い難く、又被告人の各供述調書は同法第三二二条第一項所定の被告人の供述を録取した書面と謂い難い、さればこれらの各供述調書は原判示事実を認定する証拠とするに由なきものであると主張するけれども原審第四回公判調書中証人井出利雄の供述として自分は検察事務官であつて福田検事が西沢喜三を取調べるとき二回立会つたが、その時は検事が被疑者(西沢喜三)の云つた事を一応聽いて、メモを取りそれに基き口授し私が書き終つて私が読み聞け署名捺印になつた訳ですとの旨の記載があり又同公判調書中証人小田恒雄、同前田義勝の各供述として夫々右と同趣旨の記載があることが認められるから、右各供述調書作成の経過には口述によつたものであると認められるけれども口授というも前記証人の供述記載によつても明らかなように結局は取調を受ける者の述べたところを記載する訳であるからこれを以つて刑事訴訟法第三二一条第一項第二号又は第三二二条第一項に規定する書面に該当するものと認めるを相当とする。所論は到底採用できない。

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